【シューズレビュー】UAフロー ベロシティ ウインドで5,000mタイムトライアルしてみた

アウトソールのラバーを取り除いたアンダーアーマーのランニングシューズ「UAフロー ベロシティ ウインド」。そのコンセプトだけでも気になりますし、何よりもデザイン性が高くて、思ったほどのポテンシャルがなくても普段履きになるという理由で購入しました。

実際に5,000mのタイムトライアルをしてみましたので、その結果と追い込むような走りをしたことから感じた、「UAフロー ベロシティ ウインド」の特性や使用用途などをレビューしていきます。気になっている人はぜひ参考にしてください。

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ソールのラバーがないという意味

2021年3月3日に発売された「UAフロー ベロシティ ウインド」ですが、購入したのが3日後の3月6日。アンダーアーマーブランドハウス新宿まで行ってきましたが、購入したサイズは最後の1足ということで、アンダーアーマーのランニングシューズとしてはかなり注目されているようです。

このシューズの特徴はソールにラバーがなく、ミッドソールがむき出しになっているということです。これはすでにバスケットボールシューズで採用されているアイデアで、重量のあるラバーを使わないことでランニングシューズの重心が上に上がります。

通常のランニングシューズはソールにラバーがあるので、重心がラバー側にあり足を回転させるときにラバーにモーメントがかかり、シューズに振り回されてしまうのですが、そのラバーをなくすことで、足とシューズの一体感が高まります。それはシューズの反応の良さにも影響します。

シューズの反応が良いと接地時間が短くなり、回転数を上げやすくなります。結果的にスピード感のある走りに繋がるというわけです。重たいラバーがないので物理的にシューズ全体が軽量というメリットもあります。いずれにしてもラバーがないというのは画期的なことで、常に新しいことに挑戦しているアンダーアーマーらしい試みです。

フィット感は高いけどサイズは+0.5cmをチョイス

アンダーアーマーブランドハウス新宿で試し履きをしたとき、最初はいつも履いているランニングシューズのサイズ、25.5cmでお願いしました。フィット感が高くて履き心地がいいのですが、どうも親指が当たる感覚があり、+0.5cmの26.0cmも試してみることに。

シューズトライアル以外でアンダーアーマーのシューズを買うのは初めてでしたが、店舗スタッフさんによるとアンダーアーマーではほとんどの人が+0.5cmにして購入しているとのことで、おそらく26.0cmも履くだろうと想定していたのでしょう。すぐに出てきました。

たった0.5cmですが「大きいな」という感じはありますが、こちらは親指が気にならないので26.0cmをチョイスしました。サイズが大きくなったのでアッパーが緩く感じるのではないかと不安でしたが、まったく問題ありません。吸い付くようなアッパーは快適そのものです。

正直なところ、このフィット感の高さだけでも選ぶ価値があります。ただし、これはシューズの木型と自分の足型の相性の問題ですので、人によってはフィット感を得られないこともあるのでご注意ください。

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スピードを持続するのはそれほど得意ではない

バスケットボールの選手からは「軽くてグリップ力が高く、スピードを出しやすい」と評価されているUAフロー。その技術をそのままランニングシューズに導入したわけですので、機能面では同等の効果が期待できます。ただしランニングシューズはそもそも軽いものですから、どこまで利点が活かされているのかが気になるところです。

まずスピードですが、これは簡単に上がります。グリップ力があり、フィット感も高いので一気にトップスピードにまで持っていくことができます。正確には加速力があるとお伝えしたほうがいいかもしれません。なぜならスピードを維持するのが難しいから。

フルマラソン3時間ちょっとの私でも、走り出してキロ3分台に持っていくのは難しくありません。ただそこから粘ることができず、筋力でスピードを出しているので心拍数も上がりすぎて減速してしまいます。バスケットボールならトップスピードを維持する必要がないのでいいのですが、ランニングはそうはいきません。

そうなるとスピードを上げすぎないように注意して走ることになりますが、私の場合はキロ4分5〜10秒くらいで安定します。Adizero Adios Proで4分ちょうどくらいなので、最新の厚底✕カーボンプレートのランニングシューズと比べると底上げ感はなく、いたって普通のシューズです。

5,000mのタイムは20分46秒(Stravaでは20分40秒)と平凡で、Adizero Adios Proよりも1分近く遅い結果に。もちろん違う日での計測ですので一概には言えませんが、UAフロー ベロシティ ウインドは強い反発力でどんどん前に進めるタイプのランニングシューズではなさそうです。

UAフロー ベロシティ ウインドのメリット

UAフロー ベロシティ ウインドは自己ベスト更新を狙うためのシューズではないというのが走ってみた感覚ですが、では魅力がないかというとそういうことでもありません。むしろ走る上でのメリットも多く、トレーニングシューズとしてはとても魅力的です。

  • グリップ力が高くコーナーリングが安定
  • 重さを感じないのでフォームが乱れない
  • UA MapMyRun™で走りをチェックできる
  • 信じられないくらいのフィット感がある
  • デザインがいい

個人的な感覚ですが、UAフロー ベロシティ ウインドにはこのようなメリットがあります。それぞれのポイントについて詳しく書いていきます。

グリップ力が高くコーナーリングが安定

UAフローはバスケットボールが原点ですので、ストップ&ゴーが得意で、さらには左右の動きにも追従します。ここが普通のランニングシューズとの大きな違いで、ランニングシューズは前に進むことだけに特化しています。ストップする機能すら排除しています。

このためランニングシューズは公園などのランニングコースにありがちな、急な曲がり角でしっかり減速しないとコースアウトしてしまいますが、UAフロー ベロシティ ウインドはしっかりグリップするので、減速せずに曲がれてしまいます。

おそらくトラックでも同じようにコーナーリングをしやすいはずです。ただしシューズは高速で曲がれても膝関節まわりの筋肉が追いついていないので、やりすぎると膝を傷めかねないので、様子を見ながらということになりますが、それくらいスピードを出して曲がれます。

重さを感じないのでフォームが乱れない

UAフロー ベロシティ ウインドは26.0cmで221gと軽いシューズですが、履いて走って軽さを感じるわけではありません。ソールがしっかりとしていて、今どきのシューズからするとやや硬めで、フィット感もあるのでシューズとしての存在感はあります。

ただ重さそのものは感じません。言葉で表現するのはむずかしいのですが、重量のない透明な何かに足が包まれている感覚があり、「靴下で走っている」ような気分になります。シューズはそこにあるのに、シューズの重さに振り回されない。イメージ通りに足さばきができます。

このため5,000mの後半でもフォームが乱れず、むしろ慣れてきた後半のほうが走りが安定する感じがありました。フルマラソンの距離になるとわかりませんが、おそらく長い距離でも同じ感覚で走り続けることができるでしょう。

UA MapMyRun™で走りをチェックできる

UAフロー ベロシティ ウインドはアンダーアーマーのランニングアプリ「UA MapMyRun™」に対応しています。シューズとスマホがBluetoothで繋がるという画期的なアイデアなのですが、ランニングの計測だけでなく下記情報を収集できます。

  • ストライド
  • ケイデンス
  • 接地時間
  • フットストライク角度

それぞれ平均値と1分毎の数値を確認でき、自分の走りを後から分析するのに役立ちます。GPSランニングウォッチ+フットポッドでも同じ事ができますが、これらを揃えるのに5万円くらいかかります。でもUAフロー ベロシティ ウインドならスマホがあればOKです。

自分の走りを客観的に確認したい人にとっては、これだけでもUAフロー ベロシティ ウインドを選ぶ理由になります。

信じられないくらいのフィット感がある

ランニングシューズに求められるのは、ストレスのないフィット感です。どんなに速く走れるシューズでも自分の足にフィットしなければランニングを心から楽しむことができません。アンダーアーマーはインナーウェアを得意とするメーカーらしく、このフィット感へのこだわりを強く感じます。

どこまで肌に近づけるかという試みを妥協することなく行っているので、履いていて気持ちがいいレベルにまで仕上がっています。フィット感が高くて軽いのでまるで体の一部のように追従してくれます。足型が合うかどうかも影響しますが、あまりにも気持ちいいのでシューズを履くのが楽しみになります。

デザインがいい

デザインの好き嫌いは個人差があるかと思いますが、シンプル過ぎず派手すぎないちょうどいいデザインで、ソールに安定感があるので普段履きとして使うこともできます。少しデザインが若い感じがあるので、コーディネートが難しそうですが、それくらいファッション性が高い1足です。

ジョグもできてインターバルなどのスピード練習にも使えて、さらには普段履きにもなる。すべてを1足にまとめたい。シューズをたくさん持ちたくないというミニマリスト思考のランナーなら、きっとこの万能性を気に入るはずです。

ちなみにホワイトカラーにはピンクに近いオレンジ色のシューレースが、1セット追加で付属していました。こういうところにもアンダーアーマーがデザインにこだわっていることが伝わってきます。

まとめ

購入する前のイメージはスピードを出して、風のように気持ちよく走れるシューズという印象を持っていたUAフロー ベロシティ ウインドですが、実際に履いてみて感じたのは、むしろスピード以外のすべてが手に入るシューズだったということです。

加速はしますが最新のランニングシューズと比べると、直進性能に特化していない分だけスピードの維持が難しいシューズでした。ただ、それを補うだけの万能性があり、トレーニングシューズとしてはとても魅力的な1足です。ジョグもスピード練習もこなし、フィットネス系のトレーニングもできます。

普段のトレーニングはUAフロー ベロシティ ウインドを使い、レースで厚底✕カーボンプレートのシューズを履く。そんな使い方が理想かもしれません。ただ税込で17,600円ですので、購入するには清水の舞台から身を乗り出すくらいの覚悟は必要です。

セールや型遅れで安く買えるなら「買っておいたほうがいい」1足ですが、定価で買うならシューズの特性をきちんと把握して、目的を決めて買うことをおすすめします。ただ普段履きにも使えるので、購入して損した気分になることはありません。気をつけてもらいたいのはサイズ感。アンダーアーマーが初めてという人は、お店で試し履きしてから購入しましょう。

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